コロナ禍で延期になったショパンコンクールが現在開催されています。ただ今二次予選中、毎日配信される若い芸術家の瑞々しい才能を、満喫しています。

初めてインドに来たばかりの二十数年前は、インドでヨーロッパ文化を感じる事は不可能に等しいものでした。それが今では、オンタイムでショパンコンクールがインドで聴ける。すごい時代です。

そこに留まり、骨を埋める覚悟なら良いけど、いずれこの国を出て行かなくてはいけない身ということもあり、20年前当時はインドと友好的に過ごそうとはしたけど、一方で、インドの世界に浸かり過ぎないように気をつけていました。何故なら、一歩外に出れば、日本文化は皆無、欧米文化は、米だけのマクドナルドとケンタッキーのみ、インドだらけの世界です。今では、大きなモールもあり、そこでは欧米や日本だけでなく世界各国の商品をみることができます。しかし当時は、色は強烈な日差しに負けじと開く花々、アースカラーに原色のサリー。お食事はスパイス、チャイにはマサラ。音は物売りの歌うような声と、インド映画の音楽。珍しくインドにやって来た、ポールモーリアのコンサートへ行こうものなら、オープニングでバーンと鳴った音に驚いた、場内の鳩が落とした糞を浴びて、今度は私が驚きギャッと叫び、すると隣のインド女性が「ノープロブレム、ミートゥ」と、汚れた手を見せてくれる…。非常に面白く、得難い経験ですが、その反面、
「自分のオリジナリティや、年月かけて確立してきたものが崩れて呑み込まれてしまいそう………しっかりしなくちゃ」
といった怖れを抱くほど、インドとインドの文化は強烈でした。今も日本の人から「自分の英語がインド人のような発音になってしまったらどうしよう」という不安をたまに聞きますが、まさにその恐れに近いものです。

それが今は、ヨガでどっぷりインドの世界に浸った後、帰宅すると、YouTubeが現在開催中のショパンコンクールで、ポーランド人の弾くマズルカやポロネーズを聞かせてくれる。何という贅沢。ネットのおかげでもありますが、これだけ、多様な世界になれば、全てその人次第で、一つの文化に埋没してしまう事はないでしょう。
今は、タイムマシーンに乗って、「インドに取り込まれてすぎてははならない」と、ガチガチに強張って、戦闘的になっていた過去の自分のところに行って「大丈夫、未来は明るい」と言ってあげたいです。

2次予選通過日本人8人のうちの1人、反田恭平さん

 


 

最後の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」が泣けるほど素敵。オリンピックと同じく延期に次ぐ延期で、出場者は誰も彼も計り知れないご苦労があった事でしょう。この後3次予選、本選と20日まで過酷な戦いが繰り広げられる。でも、きっと演者は本望。そして、観客入りで開催されて本当に良かった。ピアニストとは才能と努力の継続の人々。日本人の若い芸術家が、海外で堂々と演奏し、ポーランドの人々から拍手喝采とブラボーの歓声をもらう姿を見られて、幸せ。涙涙です。


⬇︎インドにいながら毎日ショパンとショパンコンクールを楽しめるサイト


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