ついに、行ってきました!
デリーのイタリア大使館カルチャーセンターで催されるコンサート。今回は、「From Baroque to Rock」。
インドでコンサートといえば、25年前にデリーにやってきたポールモーリアのコンサートへ行った時、ババーンとオープニングの音が鳴ったら、室内にも関わらず、そこに住み着いていた鳩が驚いて落としたフンを浴び、演奏中にもかかわらず、「ぎゃーフンが落ちてきたー!」と日本語で叫んだ私に、隣のインド女性が「ノープロブレム、ミートゥ」と言ったのが、最大の思い出です。

さて、昨日朝、WEBサイトで情報を見つけたのですが、夫に「今夜コレに行きたい」と言ったら「なんで急に言うんだ」となり「だって急に見つけたんだもん」と以下、夫婦喧嘩勃発となりました。

そして、喧嘩嵐は去り、夕方、イタリアカルチャーセンターへ。プログラムは、バロック音楽からQueenまで。今年、イタリアカルチャーセンターが「Vita nova/ニューライフ」をテーマに掲げているので、現在、同文化会館で開かれている、クラフトのエキジビションと同じく、伝統と現代を連動させ、未来に繋げ、コロナを文化の面からも乗り越えるという試みをしているのかもしれません。
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観客席はインド人が多く、フリーチケットの会場15分前にはすでに、入り口で列が出来ていました。インドの、心からのクラッシック愛好家が集まったらしく、インドの映画館で、突然ケータイが鳴り…え、喋るのか、オイ!……なんて事はなく、私語は皆無の鑑賞、拍手のタイミングもバッチリ心得た観客のマナーは、素晴らしくよかったです。
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 そして演奏が始まると、バイオリニストのDavide de Ascaniisさんの超絶技巧に、みなさん酔いしれていました。
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幕間で、近くに座っていらした館長さんに、彼の年齢を尋ねると、
「30代前半」
まだまだ若いですねと言う私に館長さんは
「そう、彼は若い上に、ヴィルトゥオーゾだ。」
と仰いました。ヴィルトゥオーゾとは、イタリア語で、「徳のある人」というのが第一の意味ですが、音楽的には、超絶技巧者、技術が名人、達人の域にいる人を指します。ヴィルトゥオーゾの演奏鑑賞は、例えばそれは、真央ちゃんや結弦くんの、三回転、三回転半、四回転、連続回転や、超絶テクニック・ステップを、手に汗握りながら見るのと似ています。この日のバイオリン演奏も、ぶっ飛びテクニックの連続で、エネルギーに満ち、プログラムがQueenに至る前に、正統・真正クラッシック演奏家でありながら、既に魂がロックなアスカーニスさんでした。
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バロックやロマン派、近代音楽の演奏も素晴らしかったけど、Queenも、真剣勝負演奏。電子バイオリンの音が力強くうねっていました。

幕間に説明をしてくださった、館長さんは、なんと日本語ペラペラ。インドは5年目。このコロナをどっぷりここで乗り切っていらしたのでしょう。

演奏後、バイオリニストのアスカーニスさんに、サインをお願いに行きました。まるで、ロレンツォ・デ・メディチのような風貌、演奏中のとてつもない集中力。もしかしたら、気難しい人かも知れないな、と思いましたが、それは杞憂。殆どの一流のイタリア人がそうであるように、気さくな方で、そばでお顔を見ると、写真より遥かにハンサム。当たり前のようにサインに応じてくださり、日本語で「ありがとうございます」と言われました。
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↑16歳時のアスカーニスさんの演奏。バイオリニストの才能開花は本当に早い。この曲は昨日も演奏された「Nel cor più non mi sento」のパガニーニ編曲。超超絶絶技巧です。
インドは、こうした演奏がライブで聴ける国になったのです。さて、次の宿題は、モールではなく劇場建築かナ。小さくてもいい。インドで少しずつだけど、着実に素直に育っている西洋音楽を愛するインドの若者(この日の観客も若者が多かった)のための、奇を衒わない施設になって欲しいです。


次回のイタリアカルチャーセンターの音楽の催しは7月の予定。アナウンスは、急だと思われるのでウェブサイトはもうもう毎日チェックします😤。

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