先週、イタリア・アソシエーションの集会に参加させてもらったよ!
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転勤先・居場所探し
「転勤先に夫と子どものポストは準備されているけど、妻たちにはそれがない」

だから、転勤族の妻にとって大変なのは、キャリアでも習い事でも
「積み上げてきたものを転勤先でどう生かすか、どう続けるか?」
そう、引っ越し先の、夫や子どもとは関係ない、「自分個人の社会的な居場所」は自分で切り拓かなくてはいけないのです。

例えばお稽古事。茶道を、武者小路でずっと子どもの頃から習っていたのに、転勤先には裏しかない。「大好きなお師匠さんを裏切る事にはなるが、お教室があるだけマシ。裏千家の元で続けよう。」みたいな例はいくらでもあります。
初駐在の時、某会社の世界を回った社長夫人が、
「これまで表も裏も、武者小路も、習っちゃったわよ。」
と、こう自嘲気味に話しました。周りを笑わせながら言った彼女の言葉の奥にある、そこにいたみんなが知っている葛藤や悲しみを、私は今も思う。

マイノリティでもとにかく続ける
私にとっての「表も裏も武者小路も」は、言葉。私の専門分野ではヨーロッパの言葉が大切だけど、夫の転勤先はアジア。英語も通じない国もあるので、現地の言葉を習うけど、頭が悪いからいつも何語もいい加減。中途半端。
華麗な駐在夫人の中で
「ああ恥ずかしい~
穴があったら入りたい~!」
なんて言葉体験は日常茶飯事。

そんな中、私の専門分野で一番大切なのはイタリア語。悲しいかなイタリア語は、日本語とおなじで、世界ではあまり使われていないマイノリティ言語です。茶道で言ったらイタリア語は言語界の「表も裏も武者小路からも漏れた、小さな流派」。だから転勤先でイタリア語を忘れないように話すためにイタリア人を探すのは、至難の業なんです。 

例えば、レジ待ちでふとイタリア語が聞こえると、すぐに話しかけて、「お友だちになってください🙏」(これは大抵成就しない🤣)なんてことは数えきれず。
25年前の初インドでは、イタリア大使館の門を叩いて、めちゃくちゃ英語で
「イタリア語を勉強したい!」
と直談判。優しい受付嬢が、ナポリ出身のエコノミストを紹介してくれ、彼の余暇時間に習いました。

そんなこんなで、なんとか続け、あれから幾星霜。
現代の開かれたネットワークのおかげで、イタリア人コミュニティにウェルカムカムで入れてもらえました。きっかけはボランティア。支援している学校が同じで、頑張っているうちに少しずつ信頼を得られるようになったのです。

先日の集会は、イタリア大使館の敷地内にあるカルチャーセンターで。会の代表は40歳前と見受けられる女性。彼女は、12月のイタリアン・メーラーを指揮した、流暢なヒンディー語も話す、ハンサムウーマン。気さくに、しかし確かな力強さで、集会に参加した老若男女をコントロール。こうして無駄なく一時間で会議を終了。私は自分が馬鹿だから、頭の良い女性が大好き。おそらく二回りくらい年下でしょうが、彼女に惚れています。

とりあえずここにいる間は、大好きな人々と、自分が最も大切にしていることをさらに積み重ねていけそう。それがすごく嬉しいです。
しかし、ここまでの道のりは長かったナア。気がついたらおばあさんになっていたよ😆。

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