陽はすでにカンジス川から

こんにちは、Yukettaです。夫の駐在に帯同して参りました。 危険情報や感染病情報は海外安全ホームページにお任せして、こちらでは楽しいインドの生活日記や様子をお届けしたいです。

エンタメ

現代監督の同性愛作品

イタリア文化センターの今週の映画は
「Stranizza d’Amuri (Fireworks)」。
2023年シチリアを舞台にした作品。
シチリアの方言は、辞書にも載ってないから、わからないけれど、文字から察するに、「特異な愛」って意味かしら。違っていたらごめんなさい🙏。
悲しいけど綺麗な作品でした。

昨今の流れで、
「それ、今必要?」
ってな場面で、LGBTをなんの脈絡もなく無理やりぶち込んでくる作品群が気になるだけに、実際に起きた事件をベースにしているから、確かな真実味がありました。ゴシップ的に扱われそうな出来事を、詩的に映像美で丁寧に織り上げた良作。両主役の役者の容姿が美しく、しかし、かつての日本の男性アイドルのように媚びた表情を見せない。その若者らしい誇り高さにも心惹かれるし、いっそう彼らの悲しみや怒りが伝わる。同性愛を扱ったイタリア映画は素晴らしい作品がたくさんあるけど、これもその一つだと思います。

さて、カトリックの世界って、私たちが考えるよりも性に関してはずっと保守的。日伊両国の歴史を振り返ると、とりわけ同性愛に関しては日本の方が寛容だったと思います。イタリアにもLGBTに関する組織ができたのは、この映画の下敷きになっている、80年代に起きた事件がきっかけだったのだとか。

この作品で描かれる、同性愛者だと認定された少年への「いじめ」は凄まじく、シチリア特有のどっぷり浸かりきったカトリックと家父長制が、それを後押しします。同性愛者を、忌み嫌うだけでなく、病気か、禍いか、穢れのように扱って虐げてきた欧米には、あれは必然な運動だったのかもしれないなあと感じました。

同2023年に日本でも公開。邦題は「シチリア・サマー」。「サマー」で、ガクッときます。なぜ伊語とエーゴをくっつけたか😂。きっと多くの人にみてもらう為の宣伝で、親しみやすくする為の苦肉の策と思うけど、英題「Fireworks」を素直に「花火」ではアカンかったのだろうか🤔。少年たちの青春はそれそのものだったのに。そうそう、「シチリアの夏」でもいいじゃん。意味のない欧米風、ナンセンスだなぁ。このタイプの作品を観に映画館へ足を運ぶ人々はプロモーターの大衆迎合を好まないと思います。

映画のあとは、いつものメンバーでごはん。
昨日もおいしかった~。映画の感想を話し合うのも楽しい。
また、若い彼女から、新たなスマホの使い方を教わりました。老化の激しい私には、脳みそ体操の貴重な時間です。
ありがとう💖。
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復興時期へのノスタルジー


久しぶりに映画鑑賞。
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東京九段下のイタリア文化会館が提供する映画鑑賞会はいつも無料の上に、日本で公開されていない作品ばかりでイタリア好きにはたまりませんでした。
デリーのイタリア文化会館も同じく無料で毎週火曜日に映画鑑賞会が開かれていて、それらは外国人には珍しい、ネットフリックスやAmazon、AppleTVでは辿り着けない作品ばかりです。
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昨晩の作品は、
「Enrico Piaggio - Un Sogno Italiano」。

「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックが乗った有名なシーンに使われたオートバイ「ヴェスパ」の会社(なんと航空機メーカー)の社長のお話し。時代は大戦直後から「ローマの休日」の1953年まで。

日本もそうですが、「三丁目の夕日」に代表されるように、大戦後復興のストーリーって希望とパワーがあって力がもらえる。そして押し寄せるノスタルジーの波に涙がほろり。

同じく敗戦国だったイタリアも、この時期は明日に希望を持ちながら人々が前向きに生きた時代なんですね。また、この時代の男性も女性も、お洋服のなんとエレガントなこと!お洋服好きな人もきっと楽しめる作品です。

この作品の前に同時上映された短編「Domenica Sera」が、現代の作品で何かの賞を獲得したそうなのですが、
「うへぇ、なんじゃこりゃ」
ってな作品で、現代の若者と家族の閉塞感を表現しており、ユニセックスと自由が行き着く先の哀しさを観ながら
「こんなところも、イタリアと日本は同じ道を歩んでいるなあ」
と、感じ入ったのでした。


鑑賞後は、お友だち夫妻とDivaでご飯。前述したように、敗戦後日伊両国は、似たようなメンタルで復興を遂げ自由謳歌後の現実に直面している…ううむ……ってな話は冒頭だけで、その後はイタリア人がいかに日本が好きか、日本人がいかにイタリアが好きか、そんな話で盛り上がりました。




在デリーイタリア人はDivaを本当によく使います。ご夫妻曰く、クオリティはハイアットのLa piazzaの方が上。しかし、Divaはコスパと質のバランスの良さで、イタリア人に受け入れられているとのことでした。イタリア人も関西の人と同じで、高くて美味しいのは当然で、コストに見合った質があって初めて評価の対象になるのです。Divaは、普段は会員証がないと入れませんが、昨日のような催しの時は、写真付き身分証明書があれば誰でも入場できます。

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↑アーティチョーク650ルピー。
美味しかった~。INAでアーティチョークが恐ろしい値段で売られているのを知っているので、彼らが「コスパが良い」と話していることに私も納得です。


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いまだに初体験/キャンドルライトコンサートin Delhi


キャンドルライトコンサートin Delhi
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ボラ友さんに誘われて行ってきました。
多角的な意味で面白かったです。ボラ友さんの話によるとこの時期にミラノでもやっていて、また夫に話すと、東京でもやっているとのこと。世界的なイベントなんですね~。

昨日は、ABBAとQueenの曲を中心に、演者のお喋りとピアノが繰り広げられました。
「軽い音楽をサクッと楽しむ…という感じかぁ」
と、思っているところ、音楽がQueenに差し掛かった時、インド人の観客が歌を口ずさみ出したのです。しかも、当たり前のように、止める人もなく、みなさん次々と。

長くインドにいるのにいまだに
「ギョッ」
っとする初体験をさせてくれる。
流石、インドです。
歌詞が入り組んでいるところは、小声で、有名フレーズはボリュームアップ。みなさんどこまでも自由。そして会場はインドの家族的な雰囲気に包まれました。こんなキャンドルライトコンサート体験ができるの、世界でもインドだけでしょう。

私の中では、ボヘミアン・ラプソディがピアノ曲として聴けたのがよかった。
「映画の冒頭か!」
と感じる衝撃的な歌詩に心を持っていかれるので、歌として聴いてしまっていたけど、あれは「ラプソディ🟰狂詩曲」とするのに相応しい、
「えっ、そこにそのメロディいれるか!」
みたいな、個性が幾つも複雑に入り組んだフレーズを丁寧に織り合わせた見事な楽曲なんですね。会場でこの曲の歌を歌える人は少なく、とりわけ音楽の経過・コード進行部分がピアノだけになったので、作曲家の素晴らしさがより伝わってきました。歌の曲を歌詞無しで聴くっていいもんです(本来のこのコンサートの意図はコレのような気がする😆)。


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蝋燭はゆらめくように作られた電気製品。こんなにキャンドルを灯して、火事は大丈夫?会場の酸素は?とかの心配は杞憂でした。

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ついていかない選択

「そしてバトンは渡された」
ずっと読みかけで放ったらかしていた本。 
久々の読了。
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ツッコミどころが結構あったのだけど、その一番は、実父の海外転勤に帯同しない梨花の、子ども(主人公)に対する説得。
ぞっとした。
「日本に残りたい自分」は、理解できます。しかし子どもを自分と一緒に日本残らせる為に
「言葉つうじないよ」
「治安悪いよ」
「日本と同じことできないよ」
そして
「友だちともう会えないよ」
という子どもへの脅しは、あまりにも浅はか。小賢しい。なぜお父さんと友だちを天秤にかけさせるか、子どもに。小学生ならその言葉でお父さんについていく事ができなくなってしまうでしょう。

子どもにとって毎日会う小学校のクラスメイトはその当時は全てかもしれないが、それは1年で新しい年度には仲良しさんは変わる。しかしお父さんは生涯お父さん。それがわかるのは大人になってからです。しかしこのターニングポイントがなければ物語は進まないのです。

お話しの軸はそこではなく、本筋は義親子を「食」で繋ぐ優しい愛の物語なのだけど、ずっと実父海外転勤が引っかかって納得がいかずでした。そして最後の方でもう一度
「梨花、なんなんだこの女は!!」
という場面があり、一瞬本を閉じてしまいました。不倫もアカンかもしれんが、この行為も倫理観ゼロ。作者はそれなりに彼女に罰を与えているけど…。架空のお話しであるのに、私は未だに怒りがおさまらない。

令和の20代のベストセラーという謳い文句だけど、
「ふーむ。若者が海外に行かない、という理由もこんなところに隠れているのだろうか?
彼らが行かない理由ってこんなことなのだろうか?」
と、また本筋とは関係ないところで、独りごちる私です。

そうそう、これは映画化され、少し前に話題になった女優さんの作品なのだそうです。私は、梨花役の石原さとみさんの演技に興味があります。「なぜか許されてしまう自己中女」を演じたら、現在右に出るものはいないでしょう😊。

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高級娼婦コスチューム

インドの高級娼婦のコスチュームの歴史のお話を聞きに行ったよ。
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初めてインドに来た時はその世界ってどうなっているの?と思っていても誰に聞いたら良いのか分からなかったし、聞き方も心得ていなかったけど、最近は映画や本だけでなく、あらぬ方向から情報がやってくるようになりました。


日本のその世界の衣料文化・歴史もすごいけど、インドもすごい!特にジュエリー。ファッションの先端はその世界が作っているのかも知れないナアと、ため息ばかりでした。


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プロフィール

Yuketta

こんにちはYukettaです。回り回って最初の駐在地ニューデリーに戻って参りました。4コマ漫画のように、最後はクスッと笑ってしまう日々を与えてくれるインドが大好きです。大変化を遂げたこの大都市と初めて出会った場所のつもりで向き合っていきたいです。

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