陽はすでにカンジス川から

こんにちは、Yukettaです。夫の駐在に帯同して参りました。 危険情報や感染病情報は海外安全ホームページにお任せして、こちらでは楽しいインドの生活日記や様子をお届けしたいです。

インド人作家本

インド入り前おススメ本「首都デリー」

クシュワント・シン
「首都デリー」読了。
すごい本だった。
やらなくてはいけない事がたくさんあるのにやめられなかった。私がこれまで読んだインド本、ぶっちぎりの一位!
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セックス.排便.放屁.陵辱.正義.大量殺戮.報復.血.涙.慟哭.裏切り.夫婦愛.同性愛.ヒジュラ.皇帝.聖職者.為政者.娼婦.不可触民.詩人.人妻.宗教.哲学.マンゴー….そして、その臭気の泥沼からポンと蓮の花が開くような出来事も。


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まさに、生と性、デリー肉体物語。
読了後は
「印度の〇〇、アレ実際どうよ?」
的な問いが全て消えてしまった。

ニザムディンからインディラ・ガンジー暗殺迄のヒンドゥースタン歴を色濃く描きながら過去と現在を往復する、The「小説」。
1990年インド出版。
日本は2008年。

「初インド入りする前に読んでおきたかった」と在インド・トータル9年目の今更ながら。これを読んでおけば、大抵のインドの洗礼は「想定内・織り込み済み」にできたと思う。だから「インド入り前必読」と記します。

今月これから浄らかなヨガ世界に行くわけだけど、その前にこの、「美は乱調にあり」テキな、泥沼北インド史を知っておいて良かったと思います。

クシュワント・シンは、参加しているブッククラブで話題になった作家でした。課題図書にはなっていないけど、すごく魅力的な「デリー・ニザムディン廟イブニング・ツアー」を企画した女性が、クシュワント・シンの「Train to Pakistan」を何度も勧めるるので、そのツアーが面白かっただけに、彼女オシ作家に興味を持ちました。

因みに、クシュワント・シンは黒澤明監督を尊敬していて、彼に会いに行った事があるそうです。監督も彼の「Train to Pakistan」に興味を持っていて、そのあらすじを元に2人は対談したのだそうです(「首都デリー」あとがきより)。
ああ、読みたい「Train to Pakistan」!!
求む完全和訳‼︎


クシュワント・シンWiki





首都デリ-
クシュワント シン

残念ながら和訳Kindle版無し。新刊無し。私は古本で購入しました。結構綺麗な状態で購入できました☺️。

英語ならKindleあります。しかしページ数は膨大です。



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ブッククラブ3回目

ブッククラブ3回目。
今回の本は「girl in white cotton 」
著者は、Avni Doshi 
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やっ、やっと自分の感想や考えを、自分の体験を交えながら話し、参加者の共感を得られるようになってきた。
イタリア人の会話への参入は、縄跳びの大波小波の、大波の中に入っていく勇気が求められる。
下手くそながらも、いかに会話にノレるか。
関西の人のような会話リズム感が皆無な私は、もう、縄跳びの縄に足が絡まないように必死です。

さて、今回の本は全員が内容に文句タラタラ。5人のうち3人が
「退屈で、途中でやめちゃったわよ。」
えーっ!!
自分の心に正直なイタリア人 。
ブッククラブって、
「クソつまんない〜。」(実際「クソ」と言う言葉が3種類、お上品な奥様の口から発せられた💦。しかも何度も!)
と感じたら、読むのをやめて、それを感想にしても良いのね 。
真面目な日本人は読了するのに必死だったよ ~。
内容は、現代インド富裕層の母娘物語。愛されない女たちの子どもへの虐待、ネグレクトは読んでいて本当に辛かった。私は「偽善で包んだ女の意地悪」を軽蔑しているので、ある種のインド富裕層女性の欺瞞や自己愛、ウェットな底意地の悪さに辟易します。

さて次回のブッククラブは、これまで続けて2冊インド女流作家で、両方とも酷評だったので、次回は自分で本を選ぶことに。
それはそれで楽しみ。

帰りに日本人社会にブッククラブはあるかと聞かれました。ない、と答えると、
「なんでつくらないの?」
と、言われました。
ブッククラブ、興味がある方いらっしゃいますか☺️?


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現代インド富裕層母娘ドロドロ物語


「girl in white cotton 」
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今月末のブッククラブ課題本・読了。


2ヶ月かかった。嗚呼、私のリーディング能力😭。絶望しかない。外国語文学を学んだ人を心から尊敬します。
単純な状況描写は何とかわかるけど、心理描写や、詩的な表現となると、ボキャ貧だからお手上げ。Google先生に頼りました。

お話は現代インド富裕層母娘ドロドロ物語。
いやぁ、すごかった。
所謂インドでは当たり前とされている「決められた相手との結婚」。
「それがうまくいかない時はどうなっちゃうの?」
と言う外国人の素朴な疑問の答えの一つがこの物語。

主人公の母親は、幼児である娘を連れて、結婚生活から逃げ出し、プネの新興宗教アシュラムの教祖の愛人となる。
因みにココ、導入部です。

アシュラムで主人公は母親からネグレクトを受けます。やがて母親は教祖の愛人の座を奪われ、物乞いまでするようになり、見るに見かねた両親(主人公の祖父母)が母娘を引き取ります。

この主人公が、母親を含めた大人から受ける虐待が凄まじいのです。そして大人になってなお、現在認知症になった母親から辛辣な言葉や振る舞いを受けるのです。その心理的な底意地の悪さに、平凡な日本人(ワタクシ)は、もう唖然。何度本を閉じ立ち上がったか。
しかし、さらに読み解いていくと衝撃も衝撃、「こりゃあかんわ。」
の事実に辿り着きます。

とりわけ、禁忌によって閉じ込められた女の性が解き放たれた時の奔放さや情念にも驚く。その割に登場する男たちは女への尊厳が足りないように感じる(ウチのドライバーさんの方が、よっぽど奥さんを大切にしているよ、まったく🥹)。性の自由や奔放を追求しても、満たされないものは満たされないから、そこに女の深い不満が見え、それを悲しいとさえ思いました。
もちろん、富裕層の憂鬱やメランコリーには全く共感できないけれど。

著者は、Avni Doshi 。
1982年生まれ。インド移民の子としてニュージャージーで生まれ、ドゥバイ在住。母親がプネ出身。




本作は、ブッカー賞ノミネート本
フィクションですが、教祖のモデルとなった人は実在。



また、ボンベイ暴動(1992〜1993)も背景舞台になっていて、インド現代史に少し触れることができました。
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ブッククラブ第一回目

今月も忙しかったし、もう絶対無理!と思ったけど、最後はGoogle先生のお力を借り😅、出発時間ギリギリで読了。約束時間に約束場所へ駆け込んだ。


今月のテーマ本は「The lesson in forgetting」
Anita Nair/アニタ・ナイール著
彼女は、1966年ケララ生まれ。


言い訳になってしまうけど、女主人公の人物像がつまらなくて、最初は全くページが進まなかったのです。

ヒロインは金妻の(古い💦)主人公みたいな感じ。婦人雑誌に紹介されそうなキラキラした家庭が崩壊していく、マダムの苦悩。自分が描く世界の体裁を取り繕うことしか考えない女が愛するのは自分。絵の中でアナタが描くボクはボクではないし、居心地も悪い。そりゃ、男は逃げたくなるわナ。
…家庭が崩壊してからは少しずつ興味が湧いてきたけど、ヒロインは最後まで好きになれなかった。もともと金持ちでノーブルな人々の憂鬱が、「えっ、アンタの悩み、そこ?」ってなかんじで、私にはよくわからん。

しかし物語キーとなる少女のエピソードが強烈。インドで正義を貫く怖さ恐ろしさ。若くて純粋であるほど無謀になるのはわかるけど羊たちは彼らの正義で暴力化し、享楽する。集団狂気の前にはジェンダーとか女性の尊厳とかは机上の空論(冒険好きな若いお嬢さん、ホーリー気をつけて🙏)。

今回のブッククラブに参加したのは、私以外はインドで働く伊人女性ばかり。私以上に、ヒロインに対して辛辣な評が出ていて面白い。辛口批評は作家の描写にまで。正直、ホッとしました。よくわからないなあという箇所は自分の頭が悪いからかなぁと思っていたので。また、私がふんわりとつまらないと思った部分を、理路整然とその理由説明する人もいて、本当に読書が好きな方なのだなぁと感じました。
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次回のテーマになる本も、現在生きているインド人作家作品です。
私は、インドに対してこうした視点=「生きているインド人が描く現代のインド物語を知る」が足りなかったから、勉強になります。また参加者の殆どが、インド人作家の本を少なからず読んでいます。
また、英語・伊語両立に苦しんでいるから、そこにも光があたってとても嬉しい。

まさに末席を汚す、落ちこぼれ存在ですが、めげずに来月も頑張ります💪。

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プロフィール

Yuketta

こんにちはYukettaです。回り回って最初の駐在地ニューデリーに戻って参りました。4コマ漫画のように、最後はクスッと笑ってしまう日々を与えてくれるインドが大好きです。大変化を遂げたこの大都市と初めて出会った場所のつもりで向き合っていきたいです。

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